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2015/1/10

久しぶりの更新です。6回目の今回は、
広告や雑誌のカメラマンとして活躍されている大江麻貴さんにお話を伺いました。

以前一緒に仕事をしたことがあるので、
カメラを持つ大江さんの姿を私は知っているのですが、
シャッターを切っている時の彼女は、何だか「オラオラ系」。
迷いがないように見えます。

「『そのポーズ、いらない』とか、相手が女優さんでも平気で言っちゃいます」

世に出るたった一枚を最高の一枚に仕上げるのが、カメラマンの仕事。
そのためには、現場にいる全スタッフが共通のゴールイメージを持って
一つの方向に向かえるよう、ディレクションもしなければいけない。

「だから、私が迷うと現場が迷走してしまうんです」

自信満々だから迷わないのではなくて、
自分の役割を全うしようという責任感が、そうさせているんですね。

ところでこの時、私は何人かの友人の顔を思い出していました。
これと似たセリフを言っていたなぁ、と。その顔ぶれは、
普通の会社勤めの女子達ですが、数年前から部下を持つ立場になっているという共通点が。
迷っていられない、と言いつつ、彼女たちは別のところで迷っていたりします。
例えば、後輩への指示の出し方や、アドバイスの仕方について。

「怒る。同調する。褒める。
 私も昔いた事務所で後輩が出来た時、全部やってみました。
 でも結局、その子達はみんな辞めちゃった(笑)
 いいと思って言っても、裏目に出る時は出る。
 根本が違う人間同士なんだし、響かないものは響かないんですよね」

大江さんてば、ドライなお考え!
でも、確かにそうやって割り切れれば、自分の言葉に迷わなくてすむ気がします。
みんなに受け入れてもらえる、あるいは嫌われない言い方をしようとするから、
幾重にもオブラートに包んでしまい、結局、言いたいことが言えなくなってしまうわけで。

「自分の経験からくる、自分の信じること。それを言葉にするしかなくないですか。
 そうじゃなかったら、その人が言う必要ないですよね」

ここで大江さん、ふとこんなことをおっしゃいました。

「師匠の写真を見て、自分と同じ景色や人を目にしながら、
 『この人はこういう視点で見てるのか!』って感動したことがあるんです」

写真は、視点。撮る人の。それなら言葉も、視点なのかもしれません。話す人の。
だから、正しいことを言わなきゃとか、いいことを言ってあげようなんてしなくていい。
自分の心にある範囲で言えることを言葉にすればいい。

インタビュー途中でふと思い出された、
上司という立場に戸惑っている友人達への励ましになればと思って
まとめた今回のコラムですが、「書く」ことを仕事にしている私自身が、
今、とても勇気づけられています。

やっぱり、人のお話を聞くのは楽しい!
そんなわけで、年が明けても引き続き、連載を続けさせていただきます。
まずは1年間、お付き合いくださりありがとうございました。




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