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2014/8/1

大人になってから絵本の魅力にはまった、そういう女性も多くいらっしゃると思います。
そんな方ならきっと憧れる生き方 ――なんと、48歳にして絵本屋「ティール・グリーン」を
始めたという小林優子さんに、今回、お話を伺ってまいりました。

絵本を好きになるきっかけは、人それぞれありますが、
小林さんの場合は、子育て中のお友達に「これいいよ」と紹介された一冊でした。

若い頃からイラストレーターとして活躍してきた小林さんは、それまでにも、
イラストを描く際に海外の絵本を参考にすることはあったそうですが、

手渡された一冊に、 「こんなに内容の深い絵本があるんだ!」

と感動されたそうです。絵だけを資料として見ていた絵本が、
やさしい言葉と絵の重なりで、人の心に寄り添えるものであると発見した瞬間。
以来、日本語の絵本を読むようになったそうです。

新たに出会った「絵本」という趣味を、仕事にしようと考え始めたのは、

もう少し時間が経ってから。40代の半ば頃、
「イラストレーターの仕事は順調だけど、そういえば私、老後はどうするのだろう?」
との思いが頭をもたげるようになり、

「そうだ、大好きな絵本のお店をやろう」

と決意されたのだそうです。
そうやって夢みることが一時のリフレッシュとなり、明日からまたいつもの日常へ...
というのが普通の人によくあるパターンでしょうが、小林さんは、その日から本当に、
お店の設計や資金集めを始めていったというから、すごい!

「逆にそれくらいの年だったから、
『もう、何やってもいいんだ!』って振り切れたのよね」

やり方も分からないし、今から本当にできるのかしら。
何かに挑戦したくても、そんな風に躊躇してしまう私などからすれば、
その行動力は、とてもマネできないと思ってしまうのですが、

「夢って、自分であたためているだけじゃダメで、
人に言うことで、叶えるための行動につながるんだと思いますよ」

とアドバイスをいただきました。
実際に小林さんも、回りの人に「絵本屋を始める」と宣言していたそう。

経験がない分、手探りで進むしかなく、
コツコツと情報を集め、自分なりのイメージがついに完成した時、
気づけば48歳になっていたというわけです。
時間はかかったけれど、だからこそ、

「どこにもない、誰のマネでもない、
自分があったらいいなと思っていた、その通りのお店ができたの。
自分に自信をくれる場所にもなりました」

とはいえ、お店は開いてからが肝心。
どんなに夢がつまっていても、いい本をそろえたとしても、
お客さんに来てもらい、商品が回っていかねば意味がない。

読み聞かせや原画展など、次々に企画し発信していくことで、
「ティール・グリーン」は地域の子供達、お母さん達に愛されるお店となり、
雑誌などでもとりあげられ、全国から注目される存在へと成長しました。

その後、小林さんはイラストレーターのお仕事が忙しくなったこともあり、
お店は後継の方に託すことに。
絵本と出会い、開店準備を始めてからの約14年間を駆け足で語っていただいたわけですが、

「本当に楽しかった!人生で一番幸せな時間でした」

とおっしゃった時の、こちらの息がつまりそうになるくらい
まぶしかった笑顔が、私は忘れられません。

たとえ今が足踏み状態だとしても、
人生なんて、まだまだこれから!好きなように変えられる!
そう、背中を押してもらえた気がします。

※お店は今、大田区で「ティール・グリーン in シード・ヴィレッジ」とプチ改名し、

新店長のもと、
親子でお茶の飲める絵本屋さんとして、
たくさんのお客様に絵本を届け続けています。




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